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生命力の探求 7

yellow corn on green leaves

目をもたない動物でさえ触覚や嗅覚で振動や臭いをかぎ分け、ヒレ、足を動かして移動し目標の植物に襲いかかり鋭いキバで補食した。
避難することも戦うこともできない植物は、無抵抗、無防備の状態で餌食になった。
こうした動物の襲撃的な補食活動で絶滅した植物もあったろう。
数多くの植物が動物の貪欲な補食によって犠牲になった。
あるいは恐ろしい病原性細菌、カビなどにより死滅した植物もあったろう。

こうした補食の恐怖の蓄積で、植物の中枢、遺伝子レベルである種の変化が起きた。

生物進化のの原動力である能動的リボザイムが生存の危機的環境に刺激され目をさましたのである。
昆虫や、植物の動物、病原体を排除するために。

植物は炭酸同化作用で合成した糖類を使って、アミノ酸に変換し、複雑で有効な有機化合物を作りだした。

標的が昆虫や動物であると植物はそれらの生命体の機能と構造、代謝システムを分析した。
分析した結果それらは中枢神経系統で呼吸した。
それは脳の呼吸器中枢神経組織に存在した。
生存活動がすべて神経の伝達に依存している動物や昆虫の致命傷がその神経にあった。

植物園界で最強の猛毒をキンポウゲ科のトリカブトは全株にアルカロイドのアコニチンという致死性化学物質を生合成し、葉の液芳の中に溶かしこんだ。
それを食べる昆虫、草食動物の植物は中枢神経を麻痺させて致死させるためだ。
トリカブトは昆虫や動物が神経で生きる動物であることを知り、神経毒を合成して生き抜いて来たのであった。

私はこれを人の免疫細胞と同じように液体免疫と呼んでいる。

ごく少量を食べて中毒を免れた昆虫や動物は一度苦しい思いをすると二度とそれを食べなくなる。
あるいは本能的にトリカブトを避けるようになる。
こうした恐ろしい猛毒物質を製造した犯人はDNAではなく環境に適応していく遺伝子を作る意識下の能動的リボザイムであった。

石炭紀、陸上で繁栄したソテツ科のソテツは、かっては900種前後ほど自生していたが、現在ではモルカソテツなど7、8種ほどに激減した。
おそらくそれは地球上環境の気候の変動と生物間の動物による補食活動であると推定される。
ソテツは亜熱帯、熱帯にかけて分布し、日本では九州宮崎県以南、奄美諸島、沖縄にかけて自生している。
ソテツは全株に毒が存在し特に茎と種子に配糖体サイカシンが濃縮されている。
サイカシンは激烈な神経毒と発ガン性が知られており
当然草食動物や昆虫はソテツを食べない。
おそらくそれは明敏な嗅覚で毒の臭いを察知するからだろう。
続く

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