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生命力の探求 第二章 13「生命力を失った野菜、農作物」

bok choy at daytime

キャベツは農薬かけないと害虫に中身の芯まで補食されて花も種子もつけることなく死滅する。
生物学的個体保全と種の存続の力がほぼゼロである。
このようなものはもはや生命という定義さえ入らないだろう。

我々近代文明人は加工食品にしても野菜にしても、魚肉製品にしても生命エネルギーのほとんど欠乏したものをあえて自発的に食べて生命力を病的に衰退させている。

だがすでに加工食品のように死物には過ぎない野菜も人類に利用される以前は薬草、野草などと同じく植物本来の生命力があったのである。

37億年の過酷な自然環境のなかで自己と種を死守するために合成した病害虫を駆除する忌避物質、殺虫成分、自然環境の寒冷、灼熱の干ばつ、洪水、嵐、積雪、などに耐える化学物質などの適応機能を開拓し乗り越えてきた。

brown wooden dock between lavender flower field near body of water during golden hour


だが温室、化学肥料の大量投与、農薬の乱用、品種改良、最近ではゲノム編集や遺伝子組み換えなどの利己的利益追求、色、形、味覚の向上と改善策などを目的に生命そのものが改造されているのだ。
このようなものはすでに生命でも野菜でも肉でもない。

生命は個体と種の継続、拡散のために生きるためにより強い種を残そうと遺伝子を獲得してきた。
生命が遺伝子を合成し記憶の保存場所であるDNAに自己の遺伝子を記録させ自己の機能と構造、性質を正確に残すためであった。

しかし地球環境は絶えず変動し変化し運動し流動している。
成育環境が悪化してくると、これを乗り越えるためにDNAの遺伝子を作動させ環境に適合しようとする。
だが過去の遺伝子では適応できない新しい環境が表れるとDNAの遺伝子だけては生き残ることが困難な場合がある。

危機意識に直面した生命は意識が能動的リボザイムを働かせて環境に適応する新しい有機化合物の生成や、形態の変化を起こして適応を発見するのだ、一度獲得した適応機能は遺伝子としてDNAに保存される。

しかしそれができなかった生命は絶滅していった。
生物はその意味で絶えず淘汰され洗練され生成発展していくのである。

文:中村臣市郎

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