恐怖のカップ麺、熱湯で溶け出す毒
最初の事件
歴史的に初めて塩ビモノマーによる中毒が報告されたのはアメリカであった。
アメリカ最大の塩ビモノマー企業であるグッドリッチ社のケンタッキー工場である産業医が塩ビ重合職場の労働者が1973年12月に死亡した診断書名が極めて珍しい萱草疾患である肝臓血管肉腫が発見されたのだ。
これは塩ビモノマーによって死亡したとみられる初めての死亡事件であり、ジョジョジア州アトランターの疫学者ヒースらは、同社の4箇所の塩化ビニール工場を調査したところ、10名の萱草血管肉腫を発見し、これで13名に増加したのだ。
この病気はアメリカ国内はもとより、海外においても極めて稀な疾患であった。
実際にアメリカ国内の年間の肝臓血管肉腫の平均は 25名から30名とされておりこれを過去、現在の塩ビモノマー2万人の労働者の肝臓血管肉腫13名の発生数と比較すれば、実に塩ビ労働者の疾患率は異常に高いことが報告された。
塩ビモノマーはプラスチックを製造する際に柔軟性を保つために可塑剤として使用されているもので
ビニールには塩ビモノマーとフタル酸エステルのいずれかの可塑剤が使用されている例が多い。
塩ビモノマーが体内に入ると血管に吸収され肝臓に運搬されそこで肝臓血管を特異的に攻撃することになる。
血管内壁細胞が損傷しやがてそれが肉腫を形成することになるのだ。
近代医学では治療例がなく発症すると一年から2年以内に死亡する難病である。
つまりこれはガンより致命率が高く発症すればそれで最後になる。
可塑剤、塩ビモノマーの恐ろしさがここにある。
カップ麺容器の危険性
カップ麺の容器は液体が漏れないようにビニールと紙の二重構造でできている。
そのビニールに可塑剤の塩ビモノマーが入っていれば大変なことになる。
ビニールの耐熱温度は70度である。
湯沸かしポット熱湯は平均 90度である。
それに3分浸せば当然ビニールが溶けて可塑剤も容器に溶け出すのだ。
これを知っている消費者はほとんどいない。
単発的で月に2回または3回程度であれば中毒する可能性は低いが、月に半分になると塩ビモノマーの肝臓血管を攻撃する頻度が非常にに高くなり、半年から数年以内に肝臓の血管が慢性的に攻撃されて肉腫を形成させる可能性が出てくるのだ。
現在の若い世代は即席ラーメン、カップ麺世代とも呼ばれるほど、こうした加工食品を食べている。
中高年さえも手軽で便利がいいから利用している消費者もかなり多い。
もう一つの危険な可塑剤
可塑剤としてビニールに使われている塩ビモノマーが肝臓に肝臓血管肉腫を形成させることは述べた。
だがカップ麺容器に使われる可塑剤はもう一つの危険な物質がある。
それが環境ホルモンとして微量でも猛毒を発揮させるフタル酸エステルであった。
フタル酸を中毒量摂取すると血管に入り肺に到達して肺の細胞を攻撃し壊死させることにある。
これが連鎖的に起これば肺の細胞は壊死を起こすのだ。
肺の細胞は新生する。
だが新しい肺の細胞は作らず繊維で置き換えてしまうのだ。
これが肺線維症に進行し呼吸困難が慢性的に襲ってくる。
重度になると呼吸不全で死亡することになる。
これも現代医学では治療法はない。
フタル酸エステルの毒性がわかったのはベトナム戦争でダナンという野戦病院に負傷兵が14名搬送されてきた。
軽症で2週間治療すれば治るはずであった。
ところが事態は予測外に進展した。
2週間で治癒するどころか全員が重度の肺線維症による呼吸不全で死亡したのだ。
これに疑問をもった軍医は死体を解剖して血液を検査したところ多量のフタル酸エステルが血中に含まれていたのだ。
原因を究明すると輸血に使われていた点滴のビニールから多量のフタル酸エステルが溶け出して負傷兵の血液に入り肺に運搬されて肺の細胞が攻撃破壊されて全面的に壊死して肺線維症を起こしたのだ。
このようにカップ麺容器、豆乳、牛乳、ジュースなどは紙とビニール樹脂の二重構造でできているが
加熱殺菌の際に140度の高温で3秒熱してビニールに仕組まれている猛毒の可塑剤が溶け出す恐れがあるのだ。
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