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生命力の探求 5

pink flowers in tilt shift lens

宇宙エネルギーの進化を考えると、物質と生命は持続に向かって運動変化していくエネルギーの無限の流動であることがわかる。

これを生物界の生物学的持続に置き換えると、生物は個体と種を持続 保存させるために環境の変化に適応しながら、絶えず自身の存在を変えていくということである。

古生物学の教えるところによれば、植物と菌類はペンド紀の前、10億年前に動物本線からまず植物が分岐してその後菌類が支流に別れた。そしてそれらは地球変化に適応しながら独自の進化をたどったのである。

動物は原理的に自発的に自立して生きていくことが不可能であるから、摂食活動をやるために神経と筋肉発達させる外的環境に向かう方向に進化したが、植物は自立生存可能であり固定した内的機能の発達に向かった点が大きく異なる。

植物は水と二酸化炭素と太陽エネルギーで自己の生命の構成元素とその活動に必要な糖という有機物を合成させその代謝産物として動物に必要な酸素を排出している。
つまり植物は自立した機能があり、他の生物に依存することはない。

これに反して動物、微生物 一部の例外を除いて植物が炭酸同化作用で固定した糖類などの有機物と植物脳代謝産物である酸素に依存しこれなくして生命活動はできない。

自力で生存し個体と種を保持するという原理的な点においては植物は動物よりはるかに細胞構造学代謝機能については植物は動物よりはるかに進化した存在形態であることが理解できる。

植物が製造する有機物を自ら合成できない動物や微生物は、栄養物を求めて移動する神経組織、筋肉という脳に連動した能動的な機能を獲得した。

ある補食物に対して目などの視覚器官、嗅覚、触覚を使って食物と天敵を識別してそれを脳の中枢に伝える神経組織が飛躍的に進化した。
動物は捕食者、または非捕食者の立場にあり、個体保存のために有効な強靭な筋肉、骨、爪、口器のキバなどを使って獲物、または捕食者から逃れる攻撃防御能力を発揮させるようになった。

一方植物は動物のように生存するために獲物を捕獲補食する必要は無くしたが、やがて高度な目や耳、触覚、などの感覚器官とそれと連動する神経組織と筋肉組織をもつ必要はなかった。
植物が進化の方向をたどったのは固定した根茎をいかに岩盤や土壌に根を張らせそこから有機物、チッ素、リン、ナトリウム、マグネシウム、鉄、カリウム、カルシウムなどの元素を効率よくいかに吸収させるかであった。
空気中の二酸化炭素の捕集と太陽系エネルギーを化学エネルギーに変えていく機能の高度化である。
つまり光合成機能をいかに高めるかであった。

植物は進化の過程で数々の地球の気候変動、気象の過酷さを乗り越えねばならなかった。
植物は成育する環境の温度、砂漠のような真昼の50度の炎熱、夜はマイナス30度にも下がる炎熱と寒冷、
気圧、風圧、元素濃度、空気中、太陽光の強弱、有毒なΒ紫外線、放射能を含む有毒な宇宙線、大気中のあるいは生体の細胞を酸化させる活性酸素の毒などに対して耐性をもつ構造と性質を合成しなくてはならなかった。
例えば細胞を酸化させる猛毒の活性酸素を分解する分解酵素の合成であった。
または抗酸化作用のあるビタミンС、ビタミンE、カロチノイド、フラボノイド、ポリフェノールなどの抗酸化物質を進化の過程で獲得した。

文: 中村臣市郎

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