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薬草茶シリーズ厳選5種-カワラヨモギ-

黄疸の霊薬カワラヨモギ

海岸砂浜などにしばしば群生するキク科の多年生であった。
高さ80センチ〜1メェトル30センチほどになり、茎は灰褐色で植立し木質で表面に筋のようなシワがある。
古い枝は無毛であるが、若い枝は灰白色の毛で覆われている。
枝の長さは1.5センチ、葉身は2または3回波状分裂する。
頭花は多数で密集し、円錐状になる。
8月、9月に小さな淡紫色の花を開花させ、11月頃に長楕円形の実をつける。

分布

本州以南、琉球、東アジア、ネパール、フィリッピン、中国全土・

生育地

海岸の砂浜、河原などにしばしば群生が見られる。
栽培、環境に対する順応性が高い植物であるが、自然繁殖率それほどよくない。
砂質土壌で排水の良い土壌を好む。
種子繁殖か、根茎の移植で繁殖させる。

採集

秋に茎葉をとり洗浄して日干しする。
花穂は夏にとり日干しする。

成分

カワラヨモギは利胆作用があり、有効成分であるスコバロンを含む。
しかし有効成分の含有量は季節により異なり開花期が一番高い。
さらにクロロゲン酸、カフェ酸、精油、0.27%、花穂の含有率は10%に及ぶ。
カワラヨモギは海岸砂浜などにしばしば群生する。

花穂の成分
カピリン、カピロン、カピラリン、多種類の脂肪酸を含み、ステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸、アラキジン酸、モンタン酸を含む。
薬理物質としてはカリウムが含まれる。

薬理作用

カワラヨモギ、クチナシの果実、大黄、マウスに対してし胆汁分泌作用が観察されるがそれほど強力ではない。
クロロゲン酸の加水分解物であるカフェン酸化にも胆汁分泌作用があるが、横断の処方として使われる。
カワラヨモギ、クチナシ、大黄の煎じた液にはマウスの四塩化炭素中毒による死亡率を低下させることができる。
四塩化炭素中毒による犬に比較しても、利胆作用はかなり有効である。
カワラヨモギに含まれる精油は、ウサギのみ血清アミラーゼを低下させることができる。
だがカワラヨモギを主剤とするインチコウトウはマウスのウイル性肝炎に対する肝臓細胞の病変を改善させる力はないが、ウサギに対しては、肝臓細胞の再生を促進させる作用がある。

解毒作用

茵陳蒿湯、またはカワラヨモギ煎液は、ウサギに対して解熱作用がある。
抗癌作用、茵陳蒿煎液は、降圧作用がある。
また静脈注射でも降圧作用がある。
降圧成分は6.7ジトキシクメリンである。
ラット、犬、ウサギに対しても同等の降圧作用がある。
推定では内蔵血管の拡張作用と関連がある。
またウサギの冠状動脈の血液量を増加させ、尿の色も黄色か澄んだ色に変化させる。

利尿作用

茵蔯蒿湯の煎剤は中毒性のウサギの尿を増加させる。

漢薬の茵蔯の薬物分類

東洋医学漢方の役物分類では利水薬の範疇に入る。

痰飲

痰飲とは、混濁した液体で、飲とは透明で、希薄な液体のことである。
痰飲とは飲食物により起こる気道、消化管、体内に溜まった液体のことである。

病名としては気管支拡張症、慢性気管支炎、喘息、風邪などの疾患により気道内に溜まった大量の痰、胃炎、胃拡張、胃下垂などの胃腸障害により溜まった水分や、分泌液、あるいは体内に溜まった液体、腹水や胸水などが痰飲でこれらが改善する。

漢薬の臨床応用

カワラヨモギは黄疸の名薬である。
特に湿熱による黄疸に適している。
具体的な症状としてはミカン色の黄疸で慢性の黄疸型肝炎、急性の黄疸型肝炎、胆嚢炎による黄疸で茵蔯蒿湯之薬理作用である段重促進作用、排膿促進作用などを利用すると効果的である。
黄疸の初期で発熱、尿量減少、便秘、腹がはる場合はクチナシ、大黄などを配合した茵蔯蒿湯が有効である。

毒性

犬に茵蔯の製剤毎日1グラム服用させても毒性反応はない、ただ安静現象が観察されただけであるカワラヨモギの有効に成分である。
6.7ジメトキシン、クマリンをマウスに10グラム1回量を内服させると、安静になり横になり、呼吸困難となり、一般では5時間前後で死する。マウスの半数致死量は一回で、7.246グラムである。

人トマウスの軽容量野比較

マウスの体重300グラムの計算として、人の成人体重50キログラムと比較した場合、これについては毒性はかなり低く比較的安全な薬物といえる。

毒性の比較の解説

マウスの体重300グラムのに計算として、人の成人体重50キログラムの場合、6.7ジメトキシン、
クマリンを1000グラム一回で投与した場合の半数が死亡するということであるからよほどの大量を摂取しない限り毒性反応は起きない。

性味 苦味、辛、
帰経 肝臓、膀胱の経に入る・
神農本草経では苦、平とある。
名医別録では微寒、無毒とあり、寒性論では辛、小毒とある。

古典薬効・名医別録

全身が黄色くなったもの、小便不利、頭熱を取り除く。
本草拾遺、関節を通す、湿熱を去り、傷寒はこれを用いる。

黄疸の治療

茵蔯乾燥したもの15グラムをコップ五杯の水で60分煎じて食間に3回服用する。

伝染性肝炎の治療

茵蔯乾燥した穂、または茎・葉30グラムまたは45グラムをコップ5杯の水で60分煎じて食間に3回服用する。

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