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フンザ王国続編

フンザにきて想像を絶する信じられない事実を体験した。
だがそれは序章に過ぎなかった。
一週間後の夕刻若いフンザ人が笑顔で調査団を呼びにきた。
広場で集まるようにということだった。

調査団が広場に行くと石窯の周辺に驚くべき物体が山積みされていた。
いまだ見たことがない原種の野菜、老木の樹皮、大型植物の巨大な根茎、果実野性のイチゴ・果物がザルに山盛りになっている。
そして石窯の前に巨大な岩が20個ほど均等に並べられていた。
それは何かバーベルに見えた。
やがてフンザ人がドヤドヤ押し寄せてきた。
何か始まるらしい。
若いフンザ人の女性が石窯のわきで慌ただしく食物らしきものをもって巨大な樹木を縦割りしたような楕円形のまな板のような上に無造作においてある奇妙な草の肥大した根茎を刻んでいた。

「あれはなんですか」

と生理学者が長老に尋ねた。

「あれかねあれは俺等がよく食べる草の根だよ」

と笑いながら黄色い歯をむき出した。

「解毒剤にもなるし、便通が良くなり強壮剤として食べているよ」

と痩せた中老が鼻の穴のに詰まった鼻クソをつまんでヒョツイと口の中にほうりこんだ。
調査団は唖然とした。

「さあ今日は誰が一番に鳴るかな」

と痩せた中老があたりを見回しながらいった。

「何か始まるのですか」

と理学博士がいった。

「120才以上の腕自慢の老人が今から出てきます」

若いフンザ人がいった。

「120歳ですか」

と驚くように解剖学者がいった。

「この村では村一番の古老が互いに力を競うのです」

とフンザのが若者がいった。
あそこに出てきてあの岩持ち上げると一人前になりますね。

「どーれぐらいの重さがあるのですか」

とガンの臨床医がいった。
かなり重いですね。
ほとんど外からの客人はあれを上げた人は今までいません。

やがて一時間後にテントや古い石住の家から長老達が16人笑いながら出てきた。
その途端、800人のフンザ人が奇声を上げた。
調査団が驚愕したのは石窯の前方に並んだ16名体格のよい長老だった。
どの老人も120歳を軽く超えていたがその並んだ真中に160歳の村長が裸で立っていた。
全身が骨格がクジラのように太く皮膚は褐色でシワはほとどない。
それどころか腕も胸も両半身の太もも野牛のような強靭な筋肉でコボゴボと隆起しているのだ。
それを誇るように老人達はホオジロザメのような顎をシャクリ2つの腕を曲折して力を入れた。
すると上腕部の肌肉が老木のゴフのように盛り上がりピクピクと振動していた。
恐るべき光景だ。
凄い筋肉だな、と唖然としながら栄養学者が目を見張った。
あんな岩のような筋肉は見たことがない、と半信半疑で人類学者が唸った。

雰囲気が突然変わった。
歓喜と叫びか険しい不毛の岩山に木霊した。
何かとてもないことがはじまりそうだ。
25名の調査団が固唾を飲んだ。

やはり160歳の長老が猛獣のような腕の筋肉を隆起させそれらコブになった筋肉が独立した生き物のように収縮と拡張を繰り返していた。

「ウェッ、ヒィッ」

信じれられない話だが長老のほぼ全身の筋肉が数百のコブとなりビクピクと痙攣していた。
恐るべき強靭な肉体だ。
肉を食べないのにどうしてあんな凄い筋肉ができるのか、と栄養学者が首を伸ばした。
杏の種子に含まれるアミグダリンに興味をもつクレブス博士は信じられんと唸った。

ビタミンB17だけであれだけの筋肉がつくとは信じれないと唸った。
だが現に16人の120歳を超える長老たちは全身が筋肉隆々であった。
それにしてもこれは凄いなあ、と若い薬剤師がいった。
と時だった。
怒涛のような奇声と歓声がわき起こった。
見ると16名の長老が岩のバーベルに接近し肺から激しい息を吐く。
シワだらけの両眼をつぶり何か精神統一をするかのような仕草で両手を合わせた。
肉厚のぶあつい浅黒い唇がブツブツととフンザ語で何かを呟いているようだった。
今から始まるぞ、トと誰かが叫んだ。
何が始めるのか調査団は生唾を飲んだ。

長老達は各々定位置で半腰になり太ももの横紋筋と腰膝に全身の力を集めているようだった。
すると160歳の長老が手をかざしては隆起した胸を上下に揺さぶった。

「あれはどれぐらいの重さがあるのですか」

と若い栄養学者が中老に訪ねた。

「400キログラムはあるだろう」

400キロですか、驚くように生理学者が低い声で叫んだ。
あり得ない。
体重の7倍はあるぞ、上がるわけがない。とガンの臨床医が言った。
調査団のほとんどが常識的な判断で否定的であった。

だが身長が2メエトルは軽く超える長老はよほど自信があるのか余裕を見せる。
800名の集団が一人の長老の姿を凝視した。

「いいか今から行くぞ」

と長老が高笑いしながら叫んだ。
岩の把手を握り全身に力をこめる。
上腕の筋肉が反射的に恐ろしいほどコブになって隆起した。

「ウオオオオオオオオヴァッヒィッ」

長老が叫ぶといきなり巨大な岩が膝小僧の辺まで持ち上がった。

「ウオオオオオオオ!」

ライオンのような叫びを上げるとムシムシと頭のはるか上まで岩が持ち上がった。
調査団はあ然と口を開く。
一段と歓声と奇声が飛び散る。

「あり得ない奇跡だ」

クレブス博士が叫んだ。

400キログラム重さがある岩であった。
しかも160歳の長老が軽々と簡単に頭上まで上げてしまうのだ。
人間とは思えない、と誰かが唸った。
フンザ人は人間を超越している民族だ、それは間違いがない。
2万人にガンが発見されないというのがその証拠だ。

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