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肝臓の霊薬 ナズナ

春の七草かゆの主役それがナズナであった。
アブラナ科の一年草である。
語源にはいくつかの説があるが、ナズナの由来はナデナから転化したもので、可愛らしく愛でる草という意味である。
さらに果実の形が楽器の三味線ににていることからバチグサ、シャミセングサ、屋根に生えるところからペンペングサとも呼ばれる。

西欧では果実が匙型をしているところから匙泥棒という奇妙な名がある。
似た植物も多く北海道、本州にはモクイナズナ、北米のマメグンバイナズナタ、欧米のグンバイナズナなどがある。

李時珍の歴史的な大書、本像項目に、その茎を取り桃灯に杖にし蚊蛾を避けるとある。

ナズナは中国明代に食用とされた記録があり、日本でも伝統的な七草粥をはじめ、テンプラ、ごまあえ、おひたし、サラダ、吸い物などにして食べられた。
あるいは飢饉食でもあった。
温室栽培や農薬漬の野菜とは違い厳しい自然環境の中で他の雑草と成長を争って生きてきた生命力がある。

さらに栄養素も豊富だ。
たんぱく質、炭水化物、脂質、酵素、ミネラル、植物性成長ホルモン、葉緑素、特殊成分、各種ビタミン、そして極めつけは薬理物質である。

ナズナ

成分

血圧を下げるコリン、アセチルコリン、血管壁を強化させるルチンが含まれる。

中国の実験では、ナズナのエキスに子宮、腸管のの強力な収縮作用が観察されている。
したがって生理不順、月経過多の治療に使用されている。
さらに中国の現代実用中薬という薬物書には、肺出血、子宮出血、流産止血などの止血に供述があり
実際に産後の出血の治療にナズナの全草30グラムを煎じて1日二回服用させたところすべての治療に効果が有ったと報告されている。

これはナズナに含まれるプシン酸の働きで血友病患者が服用すれば凝血塊抵抗力が高まる。
血圧を下げる働きもあり高血圧にも期待できる。

薬理

ナズナにはさらに強力な鎮静作用がある。
この穏やかな鎮静作用によりストレス性の病気、胃潰瘍、十二指腸潰瘍に有効であり中国の動物実験では潰瘍に対する抑制率は90%に及んでいる。

茎や葉ばかりでなく根のつき汁は眼病によく、種子は重要な漢方薬の一種である。
中国最古の本草書 神農本草径には、目を明らかにし、目の痛み、痺れをのぞき、主臓を利し、長く服用すれば身軽く老いさらばえることはない、とある。

つまりナズナは慢性的に服用しても毒性副作用は無く、むしろ五臓をまして老化を防ぎ長寿を保つ不老長寿薬の一種だったのだ。

東洋医学では目は肝臓の系に入り、肝臓機能が改善すれば血液循環がよくなり、あわせてコリン、アセチルコリン、ジオスタミン、ルチンなどの成分が相乗作用を表して目の毛細血管の硬化を阻止させ、改善するためだと想定される。

種子は目に活力を与えるだけでなく、緑内障にも治療効果があるという、

効用 採集

かなり薬理スペクトルは広い。
先ずは動脈硬化、高血圧、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、神経衰弱 、不眠症、種子は視力の改善、緑内障。

春に全草をとり水で洗って刻んで蒸し器で蒸して陰干しするとよい。

種子は日干しして乾燥させ紙袋などに入れて風通しのよいところで保存すればよい。

止血に

産後の出血、子宮出血、月経過多、吐血に乾燥させた全草10グラムをコップ4杯の水で半量に煎じて
食間に3回服用する。

浮腫、腎機能低下、高血圧、胃潰瘍、不眠症、肝臓病など

乾燥した茎葉10グラムから15グラムをコップ4杯の水で半量に煎じて食間に3回飲む。

新緑改善、緑内障に

乾燥した種子10グラムをコップ四杯の水で半量に煎じて食間に3回服用する。

注意

妊娠中の場合な禁句である。

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