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中村臣市郎先生体験記「壮絶な生と死の薬草の生命力の探求」

landscape photography of woods

第3部「未知の世界」

文明都市から離脱して挑む彦山は山伏の修練場であり彼等の信仰の霊山でもあった。
目的は異なるが私の目的は純粋な薬草に内在する生命力の発見であった。

海抜800メエトルの野峠の林道を奥深く進んでいた。
辺りはかなり険しい斜面に樹齢400年もあろうかというブナの巨大な原生林が蒼空を割るように立ちはだかった。
30分ほど進むと険しい山と山の谷間にでた。

9月の太陽は砂漠の炎熱のように高山地帯にも熱板のように身を焦がした、
全身から汗が湧出してきた。

とその時であった、なだらかな谷間に紫色の烏帽子型の花が群生してる光景が目に入った。
その花には記憶のない植物であった。

昨夜から1食もしておらず胃袋が飢えた野獣のように猛烈に吠えたてる。
一目散にその花に接近し口から食べる。
必死で花を3個ほど食べた時に舌の味覚細胞から強烈な刺激が唇に伝わってきた。
恐ろしいほどの苦味であった。

だが貪欲な食欲が花と葉を猛獣のように狂う胃に流しこむ。

だがしばらくすると唇に歯茎、舌の先端と裏面、食道に強烈な灼熱間が電撃になって襲ってきた。

全身に硬直性の痙攣が起こり呼吸困難になった。

その後意識朦となり意識を失った。

つづく

文:中村臣市郎

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